著者が曰く、予防接種は「ほとんどの人には打っても打たなくても、何もおきない。しかしほとんどの人が打つことで、その感染症は確実に減少する」。 その意味において、本書はまさに「読むワクチン」。値段は「本物の」ワクチンの1/10で、しかも副作用はほとんどない。こういうものこそ「接種を義務づけて」もらえないも...
著者の岩田先生は、不思議な本を書く人だ。自身の専門である感染症を核にして、抗生物質、ワクチン、さらにはパニックに対するリスクコミュニケーションなどを明快に論じると同時に、自らの知見、思い、そして生き方の根本的な思想までもを、人に伝えようとする。つまりは「啓蒙的な本」を書く人と言えるのだが、その思...