地獄というものがこの世に存在するのなら、著者が1994年にルワンダで見た光景こそ、そう呼ぶに相応しい。徹底的に破壊された都市、拷問の限りの果てに殺された人の山、その死体を食べて犬の大きさにまで成長したネズミ。そこには、正気を保っているほうが異常であると思われるような、圧倒的な現実が広がっていた。 本書...
「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」は何が読まれているのだろう? 海外文学死亡かるたのまとめを作っているとき、ふとそんな疑問が頭をよぎった。 わたしにとって池澤夏樹の世界文学全集は、なんとも不可思議なポジションにある。持っていそうで持っていなそう。あるいは、持っていなそうで持っていそう。じゃあ実際...
今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 ともすると似たような本ばかりに淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」と教えていただいたおかげ。もちろん、好きな本だけ・本屋さんだけで完結しても問題ない。それでも全部読むのに一生以上かかるだろう。だけど、自分の地平を拡張するため、あえて知ら...
元々読書好きを自称してはいたものの、なんだかんだいって結局読んでいるのは欧米や日本人作家の作品ばかり…。そんな折にこの、世界各国の代表的な小説を一年で196冊読んだ方の記事が目に飛び込んできて、早速自分もやってみようと決意したのが2016年初頭。それからちょこちょこ特定の国の本を探しては、読み進める事丸...